エアコンは室内を快適に過ごすためにかかせない家電のひとつです。快適に使い続けるためにも定期的に専門業者にエアコンクリーニングをおこないたいところです。
業者への依頼が多いのは本格期な夏を迎える前の梅雨の時期の6月から冷房をフル稼働する8月にかけてです。梅雨のジメジメとした湿度と真夏の蒸し暑さで、この時期は除湿や冷房運転を使う家庭が多くなります。いざ使い始めてから「カビ臭い」「イヤなニオイがする」「ホコリっぽい」と、慌ててエアコンクリーニングを依頼する人たちが増えるのでしょうか。
エアコンクリーニングは「夏」だと思っていませんか?
冷房を使わなくなり、暖房を使う前の秋頃(9月~10月)のタイミングがお勧めです!
エアコンの汚れやカビの発生原因から、エアコンクリーニングは秋がオススメの理由を紹介します。
エアコンの汚れとは
まずエアコンの汚れについて。
エアコンを稼働させると、まず本体が周囲の空気を吸い込み、熱交換機、ファン、吹き出し口の順番で風を通します。
エアコンが汚れる原因は、周りの空気を吸い込む際にホコリなども一緒に取りこみ内部が汚れることです。

キッチンやダイニングの近くにあるエアコンの場合は、油を含んだ空気を吸い込んだり、和室にあるエアコンならお線香の煙の影響を受けることもあります。
また喫煙者がいればタバコの煙で汚れてしまうことが原因とされます。なお、エアコンは稼働させていなくても、ホコリやごみなどで外側は徐々に汚れてしまいます。
そしてその汚れと湿気でエアコン内部はカビが発生しやすくなります。
エアコンを稼働させれば汚れは避けられません。
放っておくとカビだらけに
エアコンの送風口を覗くと黒い点のような汚れが見えませんか?そのほとんどがカビです。

エアコンにカビが発生する環境として「温度」「湿度」「ホコリ・汚れ」の3つがあります。
「温度」
エアコン内部の温度は厳密には異なりますが、私たちが設定する快適な気温はカビにとっても繁殖しやすい条件です。
特に25〜35度付近は最も繁殖しやすい温度となっています。
「湿度」
エアコンの除湿や冷房運転をすると、熱い空気と冷たい空気が触れ合うことにより結露水が発生します。
冷たいグラスに水滴がつくのと同じ原理です。その水分によってエアコン内部の湿度も上がります。
風呂場に発生するカビと同様、エアコン内部に残った水分が繁殖のしやすさに繋がります。
そのため、夏場のエアコンはカビ菌にとって絶好の環境となってしまっています。
「ホコリ・汚れ」
前述したホコリやごみなど空気中にはたくさんの異物が含まれており、エアコン内部は汚れが溜まりやすいのです。
ホコリや汚れはカビのエサとなり、カビの繁殖につながります。
汚れが原因でエアコン機能の低下も
エアコンに付着した汚れは、エアコンの不具合に発展する可能性があります。
風を取り込む力や放出する力が弱くなったり、風量が小さく風ムラになったりして、冷房や暖房の効率も悪くなり最悪なケースでは故障の原因となります。
ホコリやごみがドレンパイプに詰まり水漏れや悪臭の原因ともなりますので、エアコン上部やフィルターのホコリは定期的に掃除が必要です。
ホコリやカビで健康被害も

エアコンには空気中に含まれていた、カビ、ダニ、花粉なども一緒に取り込んでいます。
そのまま掃除をせず放置すれば、それらの物質やエアコン内部で繁殖したカビの胞子をエアコンの風と一緒に放出しているようなものです。アレルゲンともなりえますから、子育て中の家庭はとくに注意しなければなりません。そのまま放置すれば不健康で、アレルギーが酷くなる可能性もあります。
エアコンから放出されたカビやその胞子を吸い込むと、以下のような病気になる可能性があることも指摘されています。
- アレルギー性鼻炎
- 呼吸器系疾患
- 肺炎
- 夏型過敏性肺炎 など
なぜ秋がオススメなのか

カビが発生するのは除湿や冷房運転時!
湿気の多い梅雨時期から冷房を使う夏場にかけてがカビが最も繁殖しやすい条件です。
冷房を使わなくなる「秋」にエアコンクリーニングすることにより、梅雨時期から夏場にかけてエアコン内部で繁殖したカビを一掃するちょうどよいタイミングなのです。
業者へ予約が取りやすい!
また、専門業者へのエアコンクリーニング依頼が集中するのは梅雨時期から夏場にかけてである為、夏が過ぎる頃は依頼が減り予約が取りやすくなり、業者によっては料金が割安になっていることもあります。
秋以降はカビが発生しにくい
秋にエアコンクリーニングしておけば、冬場は乾燥しますし、もしエアコンで暖房運転するならエアコン内部の湿度は上がらないので、次の除湿や冷房を使うシーズンまでカビの繁殖を抑ることができます。
夏場に発生したカビを放置したままにしておくと、冬暖房をつけたときにカビの胞子などが一気に噴き出し猛烈にカビ臭くなることもあります。
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暖房や送風ではカビは死滅しない?
エアコンの送風運転や暖房運転はカビに対してある程度の効果はあるものの、完全に死滅させることは出来ません。
これは1度でもカビが発生してしまったエアコンにはカビの胞子が残ってしまい、エアコンの暖房運転だけでは、エアコン内部に繁殖してしまったカビの菌糸を全て死滅させることができても、カビの胞子を死滅させることができないためです。
そのため、最もカビの発生しやすい夏場を超えた秋に専門業者にエアコンクリーニングを行ってもらい、カビとカビの栄養源となる汚れを一掃することをお勧めします。

ご家庭で出来るエアコンのカビ予防とは?
エアコン内部のカビの発生原因は除湿や冷房運転で発生する結露の湿気と書きました、なので冷房運転後のエアコン内部のしっかり乾燥させればカビ予防になります。
内部を乾燥させるには、冷房運転後、電源を切る前に暖房か送風で1時間程運転させることです。夏場に暖房はちょっときついかもしれませんので送風がお勧めです。
送風運転がない場合は冷房の設定温度を上げれば送風運転となります。
ただし、設定温度を上げた冷房で送風する場合は室温が設定温度を超えると通常通り冷房運転に切り替わる為、真夏には機能しない場合もありますので注意してください。
最近のエアコンでは内部クリーン機能(メーカーによっては名称が異なります)と言うものが付いている機種もあります。
内部クリーン機能が付いていれば、機能をONしていれば冷房運転後自動で内部を乾燥してくれてカビ発生の予防になります。
エアコンを使用しない時期でも、定期的にひと月に1回、1時間の送風運転をしておくとカビの発生を予防することができるのでおすすめです。
繰り返しになりますがエアコン上部やフィルターのホコリの定期的な掃除も効果あります。
ただし、これで完全にカビの増殖を阻止できるわけではなく、前述したように1度でもカビが発生してしまったエアコンにはカビの胞子が残ってしまいます。
ご家庭でのカビ予防や掃除では限界があるので、エアコン内部の洗浄については、エアコンクリーニングの専門業者にお願いしましょう。
まとめ
カビの発生原因と時期から、エアコンクリーニングは秋がオススメの理由を紹介してきました。
また専門業者も繁忙期を過ぎた時期の為予約を取りやすく、業者によっては夏場より割安になっていることもあります。
エアコンクリーニングの周期は1~2年に1回が望ましいとされています。時期を決めて定期的にクリーニングを専門業者にお願いし、カビの繁殖のピークを過ぎた「秋」に、しっかり内部まで洗浄してもらいましょう。
